大判例

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仙台高等裁判所 昭和27年(う)475号 判決

麻薬取締法第四条に所謂所持とは、麻薬を自己の事実上の支配内に置くことであつて、その支配が他人の為にすると自己の為にするとを問わない。されば、所論のように、被告人が本件麻薬を持参したのは、双方からの依頼懇請により、麻薬の売買の取次をしたのに過ぎないとしても、本件麻薬は被告人が現実に実力支配内に置いたものであることが明かであるから、原審が被告人に対し原判示麻薬の不法所持罪に問擬したのは、もとより正当である。

論旨は理由がない。

同第二点について。

所論は、囮たる柴藤は犯人たる被告人の教唆犯又は共同正犯であるというのであるが、囮の所為が犯罪を構成すると否とは被告人の本件犯罪の成否に毫も影響がないのみならず、囮は捜査機関の手足となつて、犯罪捜索に協力したのに過ぎず、その囮は自己の行為について違法性の認識がなく、その認識がないことについて何等の過失がないから、犯意を阻却し犯罪を構成しないものというべきである。

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